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親を扶養している人のふるさと納税|扶養控除の有無で上限額の目安が変わる理由と調べ方

控除上限額・シミュレーション
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年金暮らしの親を扶養に入れていると、ふるさと納税の上限額の目安は変わるのか、シミュレーターのどこに親を入れればいいのか、と迷う人は多いと思います。本記事は、2026年10月時点の公式情報をもとに、2026年中に寄付する会社員を想定して、親の扶養と上限額の目安の関係、扶養の区分の見方、調べ方を整理するものです。個別の税額や上限額を計算・断定するものではありません。また、親を扶養に入れるべきかどうか、介護・同居・仕送りをどうするかといった判断には踏み込みません。上限額の調べ方そのもの(目安表とシミュレーターの基本)は、ふるさと納税の控除上限額を調べる方法で解説しています。子どもを扶養している場合は、子どもが高校生・大学生になった年のふるさと納税で同じ型の整理をしています。

親を扶養に入れていると、上限額の目安が下がる方向に働く理由

親を扶養に入れていると受けられるのが、扶養控除です。国税庁は、納税者に控除対象扶養親族となる人がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられる、と説明しています(国税庁「No.1180 扶養控除」)。

上限額の目安について、下松市は、所得税の課税所得額と住民税の所得割額から試算することができると説明しています(下松市「ふるさと納税の上限額の計算方法について」)。

この2つを合わせると、仕組みは次の流れになります。

  1. 扶養控除は所得控除なので、受けると、税金を計算するもとになる所得(課税所得)が小さくなる
  2. 課税所得が小さくなると、所得税の課税所得額も住民税の所得割額も小さくなる
  3. 上限額の目安はその2つから試算するので、小さくなる方向に動く

つまり、他の条件が同じなら、親を扶養に入れている人は、入れていない人より、上限額の目安が低めに出る方向に働きます。どれくらい下がるかは年収や他の控除によって変わるため、この記事では金額を計算しません。

なお、控除上限額は世帯でひとつではなく、寄付をする本人ごとに決まります。夫婦それぞれの見方は共働き夫婦が控除上限額を調べるときの注意点で解説しています。

親は扶養控除の対象になるか:70歳以上の区分と、同居かどうか

親の扶養控除は、親の年齢と同居の状況で区分が分かれます。国税庁は、控除対象扶養親族などのうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人の扶養控除額は、同居の有無等によって変わると案内しています(国税庁「No.1182 高齢者を扶養している人が受けられる配偶者控除や扶養控除」)。

所得税の扶養控除額を、所得の条件を満たしている場合に整理すると次のとおりです(上の出典にもとづく整理です)。これは所得税の所得控除の額であり、ふるさと納税の上限額そのものではありません。

親のその年12月31日現在の年齢と同居の状況 所得税の扶養控除額
70歳未満(16歳以上) 38万円(一般の控除対象扶養親族)
70歳以上で、同居老親等以外 48万円
70歳以上で、同居老親等 58万円

同居老親等とは何かは、国税庁の確定申告書等作成コーナーが、老人扶養親族のうち、あなたや配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、あなたや配偶者との同居を常としている人、と説明しています(国税庁 確定申告書等作成コーナー「同居老親等とは」)。配偶者の父母も、この説明では直系尊属に入ります。

親が施設や病院にいる場合の扱いも、国税庁が説明しています(国税庁「No.1180 扶養控除」)。

  • 老人ホームに入所している場合:その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえない、とされています。
  • 病気の治療のために入院している場合:入院している期間が1年以上といった長期になる場合でも、同居に該当するものとして取り扱って差し支えない、とされています。

ご自身の親がどちらに当たるかは、事情によって違います。この記事では個別に判断しませんので、迷うときは勤務先の担当部署や税務署に確認してください。

判定はその年の12月31日の状況で行う

国税庁は、扶養控除の要件に当てはまるかどうかを、その年の12月31日の現況で判定すると説明しています(国税庁「No.1180 扶養控除」)。

そのため、年の途中で親との同居を始めた、あるいはやめた場合も、12月31日の時点でどの区分に当たるかで見ます。同居を始める予定の人、これから親を扶養に入れる予定の人も同じで、年内に寄付を考えるときは、12月31日時点の見込み(親の年齢、同居かどうか、親の所得)を整理したうえで上限額の目安を調べることになります。同居を常としているかどうかの具体的な判断は、税務署や勤務先で確認してください。

住民税にも、老人扶養控除と同居老親等扶養控除の区分があります。練馬区は、人的控除に該当するかどうかを前年の12月31日の現況で判定すると案内しています(練馬区「人的控除」)。
2026年に寄付した分は、翌年度の住民税から控除される仕組みです。江戸川区は、寄附をした翌年度の住民税(6月〜翌年5月)に反映されると案内しています(江戸川区「ふるさと納税ワンストップ特例制度」)。
つまり、2026年の寄付の控除先は2027年度(令和9年度)の住民税で、その住民税の扶養の判定は2026年12月31日の状況です。

親の所得要件は年分で金額が違う:年金だけの親の場合

親が扶養親族になるには、年間の合計所得金額が一定額以下であることが必要です。この金額は年分によって違います。

年分(所得税) 扶養親族の合計所得金額の要件
2025年分(令和7年分) 58万円以下
2026年分(令和8年分)以後 62万円以下

国税庁は、2025年分以後の所得税で扶養親族の合計所得金額の要件を58万円以下としたことを案内しています(国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」)。2026年分からは62万円以下に変わり、この金額は令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用されます(国税庁「No.1180 扶養控除」)。12月からの施行ですが、適用されるのは2026年1月〜12月の1年分の所得税です(国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」)。

住民税は、所得税と年度がずれます。2026年中の所得にもとづく住民税は2027年度(令和9年度)分です。仙台市は、令和8年1月1日から12月31日までの収入を基礎とする令和9年度の個人市県民税から、扶養親族の所得要件が58万円以下から62万円以下に引き上げられると案内しています(仙台市「令和9年度(令和8年分)から適用される個人市県民税の税制改正等について」)。住民税の扱いはお住まいの自治体の案内でも確認してください。

年金だけの親は、年金の収入ではなく所得で見る

要件に出てくるのは、収入ではなく所得金額(合計所得金額)です。親の収入が公的年金だけの場合、国税庁は、公的年金等は年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算すると説明しています(国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」)。同じページでは、公的年金等は雑所得として扱われています。

この記事では、年金の所得の計算はしません。公的年金等控除の考え方は年金を受け取りながら働く人のふるさと納税でも触れています。親に年金以外の収入もある場合や、所得が要件の金額に近い場合は、ご自身で判断せず、国税庁の案内や税務署で確認してください。

目安表では、親の扶養は見えにくい

家族構成ごとの目安表を見れば、親を扶養している場合の目安も分かるのでは、と考える人もいるかもしれません。鹿児島市が掲載している目安表を見ると、この表は、ふるさと納税をした本人の給与収入と、その家族構成のパターン別に目安を示しています。列は、独身または共働き、夫婦、子(高校生・大学生)を組み合わせたものなどで、親を扶養している場合の列はありません(鹿児島市「全額控除される寄附額の目安」)。

同じ表の注記には、次の内容があります(同上)。

  • 夫婦は、配偶者に収入がないケースを指す
  • 高校生は16歳から18歳の扶養親族、大学生は19歳から22歳の特定扶養親族を指す
  • 表は、給与収入のみで住宅ローン控除等を受けていない人のケースである
  • 年金収入のみの方や事業者の方は、表とは異なる

表の列や注記は、掲載する資料の版によって違うことがあります。手元の表で確認してください。

鹿児島市は、この表を掲載しているページで、令和7年度税制改正により実際の寄附上限額が試算の寄附上限額と異なる場合がある、と注記しています(鹿児島市「寄附に伴う税の優遇措置・ワンストップ特例申請」)。親を扶養している人は、目安表の列に当てはまるものがなく、改正が反映されていない可能性もあるため、目安表だけで寄付額を決めないでください。実際に寄付する金額は、シミュレーターなどで確認してください。

親を扶養しているときの調べ方

寄付をする前に、次の順で確認すると整理しやすくなります。これは本記事としての進め方の一例で、公式に定められた手順ではありません。

  1. 親について、12月31日現在の状況を書き出す:その年12月31日現在の年齢が70歳以上か、同居しているか(老人ホームへの入所、入院の場合の扱いは前の見出しのとおり)。年の途中で変わる見込みがあれば、12月31日時点の見込みで考えます。
  2. 親の所得の見込みを確認する:年分ごとの所得要件(2025年分は58万円以下、2026年分以後は62万円以下)に収まるかを確認します。年金だけの場合の考え方は年金の記事と、国税庁の案内を参照してください。
  3. 勤務先に出した扶養控除等申告書に、親を書いたかを確認する:国税庁は、年末調整の対象となる人を、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を年末調整を行う日までに提出している一定の人、と説明しています(国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」)。書いたかどうかが分からない場合は、勤務先の担当部署に確認してください。年末調整との関係はふるさと納税は年末調整で申告できる?で解説しています。
  4. シミュレーターの詳細入力で、扶養の区分を入れる:詳しい入力の流れは控除上限額を調べる方法にまとめています。欄の名前や区分はサイトによって違うため、扶養の区分(老人扶養・同居老親等など)を選ぶ欄があるかどうかは、使うサイトの説明で確認してください。たとえばふるなびは、本格シミュレーションで給与収入以外の所得情報やご家族について、保険料や控除額などを入力するとより正確なシミュレーションが可能と案内しています(ふるなび 控除上限額のページ)。ただし、このページの案内だけでは、親の区分を入れる欄があるかどうかは分かりません。
  5. 親を入れる欄が見つからない、判断がつかないときは:親を扶養に入れた場合と入れない場合の両方で試算し、低いほうの金額を基準にすると、寄付額が上限を超えにくくなります。実際に親を扶養に入れているのに入力しないと、目安が実際より高く出る方向にずれます。
  6. 表示された金額は目安として使う:下松市は、ふるさと納税を行う時点ではその年の所得や所得控除が確定していないため、正確な上限額を算出することはできないと案内しています(下松市)。いつの年収で見るかはふるさと納税の上限額は、いつの年収で決まるのかで解説しています。

上限額の目安が分かったら、ポータルサイトから寄付先を選びます。寄付をするかどうか、いつするかは、目安を確認してから決めてください。ポータルサイトの一つに、次のサービスがあります。

上限額の目安が分かったら、ポータルサイトから寄付先を選びます。ポータルサイトの一つに、次のサービスがあります。

さとふる

別居の親や、仕送りをしている場合

扶養親族の要件の一つに、納税者と生計を一にしていることがあります(国税庁「No.1180 扶養控除」)。要件に同居は挙がっておらず、同居かどうかが関わるのは、前の見出しで見た同居老親等の区分です。

別居している親に仕送りなどで生活費を負担している場合に、生計を一にしているといえるかどうかは、事情によって判断が分かれます。この記事では扱いませんので、勤務先の担当部署や税務署に確認してください。

ここで説明したのは、所得税・住民税の扶養の話です。健康保険など社会保険の扶養は扱っていません。

個別の税務相談についての注意

本記事は制度の一般的な仕組みとシミュレーターの使い方を解説するものであり、個別の税額計算や税務相談を目的としたものではありません。実際の控除上限額はご自身の収入・控除状況によって異なるため、必ず公式シミュレーターでの試算、または税務署・お住まいの自治体・税理士へご確認ください。

まとめ

親を扶養に入れていると所得控除が増え、課税される所得が小さくなるため、上限額の目安は低めに出る方向に働きます。親の区分は、その年12月31日現在の年齢が70歳以上か、同居老親等に当たるかで分かれ、判定は12月31日の状況で行われます。親の所得要件は、所得税で2025年分が58万円以下、2026年分以後が62万円以下で、住民税は年度がずれて令和9年度から62万円以下です。鹿児島市が載せている目安表の列には親を扶養する場合の区分がないため、目安表だけで決めず、シミュレーターの扶養の欄を確認し、勤務先に出した申告書の内容も確かめてください。迷うときは、勤務先・税務署・自治体・税理士に相談してください。

ふるさと納税全体の流れは、ふるさと納税、初めての会社員が知っておきたい一連の流れで解説しています。

寄付先を選ぶ段階になったら、ポータルサイトを使うのが一般的です。ポータルサイトの一つに、次のサービスがあります。

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