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海外赴任・帰国する年のふるさと納税|翌年1月1日の住所で住民税の控除が変わる理由と、寄付する前に確認すること

控除上限額・シミュレーション
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会社の辞令で海外に赴任する予定がある、あるいは海外勤務から日本に戻ってくるという会社員の方は、その年にふるさと納税をしてよいのか、控除はどうなるのか、迷うことがあると思います。ふるさと納税の住民税の控除は、寄付をした翌年の1月1日にどこに住んでいるかが関わってきます。この記事では、海外に出る年・帰る年に絞って、確認できた公式の情報と、ポータルサイトの案内、そして寄付する前に確認する先を整理します。個別の税額や上限額を計算・断定するものではなく、確認先を示すところまでです。

住民税は、翌年1月1日に住所がある市区町村で決まる

江戸川区は、個人住民税を原則としてその年の1月1日現在に住所のある人に対して、その住所地の市区町村が課税すると案内しています(江戸川区「1月1日現在、海外へ出国中の場合の住民税の取り扱い」)。 法律でも、地方税法第318条が「個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。」と定めています(e-Gov法令検索「地方税法」)。納税義務者については、第294条第1項第1号に「市町村内に住所を有する個人」と書かれています(同上)。

ふるさと納税の寄付の分は、江戸川区によると「寄附をした翌年度の住民税(6月~翌年5月)に反映されます。」(江戸川区「ふるさと納税ワンストップ特例制度」)。上の二つを合わせると、たとえば2026年に寄付した分は、2027年1月1日に住所がある市区町村が課税する2027年度の住民税から差し引かれる、という流れになります。

では、その日に海外にいる場合はどうなるのでしょうか。江戸川区は、1月1日現在で海外に居住している人(日本国内に住民登録がない人)は、住所がない人に当たるので課税されないとしています。 箕面市は、1月1日をまたいで概ね1年以上海外で居住する場合は、日本国内に住所を有しないものとして課税されないと案内しています(箕面市「海外へ出国されるかたについて」)。 課税されるかどうかの判断は、赴任の期間や出国の事情によって変わることがあるため、住民登録をしていた市区町村に確認してください。

1月1日の住所を基準にする考え方そのものは、転職・退職の年や引っ越しの年にも出てきます。年の途中で勤務先が変わる年の年末調整と確定申告は転職・退職した年のふるさと納税の記事で、ワンストップ特例の変更届出書で基準になる日(寄付をした翌年の1月1日)はワンストップ特例を申請したあとに引っ越したときの記事で解説しています。この記事では、海外に出る年・帰る年に絞って進めます。

出国する年に寄付するとき:さとふるの案内

翌年1月1日に国内に住所がなく、住民税が課税されない場合のふるさと納税の扱いについて、ポータルサイトのさとふるは、FAQ(2026年10月22日に確認)で次のように案内しています。質問は「来年から海外赴任をすることになりました。この場合、ふるさと納税による住民税の控除等はどのように処理されるのでしょうか。」です(さとふる「よくある質問」)。

  • 「出国がふるさと納税を行った年の翌年であれば、出国した年の1月1日時点では居住者であるとされ住民税の納税義務が発生するため、出国した年の個人住民税の控除を受けることができます。」
  • 「ただし、ふるさと納税を行った年内に海外転勤等で出国し、出国した年の翌年の1月1日時点で非居住者になってしまう場合は来年の住民税が発生しないため、控除を受けることができません。」

同じFAQには「※出国時の事情によって、条件が異なる場合がございます。詳しくは、お住まいの市町村へお問い合わせください。」とも書かれています。これはポータルサイト(民間)の案内で、総務省や自治体の案内ではありません。国の決まりとして同じ説明があるかどうかまでは、この記事では確認できていません。自分の出国の日や赴任の期間がどちらに当たるのかは、住民登録をしていた市区町村に確認してください。

出国の時期がまだ決まっていない方は、時期が決まってから、上の案内に自分の出国の日を照らして考えれば足ります。決まっていない段階で急いで結論を出す必要はありません。

寄付先を選ぶときに使えるポータルサイトの一つに、次のサービスがあります。

さとふる

出国した年に納める住民税と、出国時の年末調整・準確定申告

出国の前後には、住民税と所得税それぞれの手続きがあります。まず住民税です。江戸川区は、出国した年に納めるべき個人住民税(出国する前の年の所得に対する税金)は、出国した年の1月1日に住民登録がある市区町村へ全額納めることになると案内しています。 箕面市は、普通徴収の場合は「海外へ出国する前に、納付書にてすべて納付してください。」と案内し、納税管理人を指定して代わりに納めてもらう方法もあるとしています。 納め方(給与からの天引きか、納付書か)や納税管理人の手続きは自治体ごとに案内が違うため、住民登録をしている市区町村に確認してください。

次に所得税です。国税庁は、扶養控除等(異動)申告書を提出した居住者で、その年の年末調整の対象となる給与等の支給額が2,000万円以下の人が、1年以上の予定で海外に転勤する場合、給与を支払う側はその人が出国する日までに年末調整をしなければならないと説明しています(国税庁「No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収」)。 このとき、社会保険料や生命保険料などの保険料控除は「出国する日(居住者であった期間)までに支払われたものに限られます。」(同上)。また、1年以上の予定で海外の支店などに転勤した場合は一般的には所得税法でいう非居住者、1年未満であれば居住者になるとされています(同上)。

確定申告が必要な人は別です。国税庁は、給与収入が2,000万円超の人や、主たる給与以外に一定の収入があるなど確定申告が必要な人が「出国」するときは、その出国の時までに確定申告(準確定申告)をしなければならないと説明しています(確定申告で控除しきれない外国税額控除の額、源泉徴収税額または予定納税の額がある場合を除く。国税庁「No.1920 海外勤務と所得税額の精算」)。 ここでいう「出国」は、納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないことになることとされています(同上)。自分が年末調整だけで済むのか、準確定申告が必要なのかは、勤務先の担当者や税務署に確認してください。

所得税側の扱いは、この記事では確認できていません。出国する年にふるさと納税をした分が、出国時の年末調整や準確定申告で所得税の寄附金控除としてどう扱われるのかは、上で挙げた国税庁のNo.2517・No.1920のページには書かれておらず、この記事では確認できていません。さとふるのFAQも「※この説明は個人住民税を対象としております。所得税の納付につきましては、最寄りの税務署や税理士等へご相談ください。」としています。税務署や税理士に確認してください。

帰国する年の考え方

国税庁は、非居住者に当たっていた海外勤務者が日本に帰国した後は居住者となり、国内源泉所得に限らずすべての所得が課税の対象になると説明しています(国税庁「No.1935 海外勤務者が帰国したときの確定申告」)。 同じページでは、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の額は、居住者期間(帰国後)に支払った金額を基に計算するとされています。 帰国後の年末調整についても、国税庁は、帰国日以後に扶養控除等(異動)申告書が提出されていれば、帰国日以後年末までに給与等の支給期が到来するものを対象として行うとしています(国税庁「No.2518 海外出向者が帰国したときの年末調整」)。

ただし、No.1935・No.2518のどちらにも、寄附金控除は出てきません。海外勤務中に払った寄付や、帰国した年の寄付が所得税でどう扱われるかは、これらのページから読み取ることはできないため、税務署や税理士に確認してください。

住民税については、先ほどの地方税法の条文を当てはめると、帰国した年の翌年1月1日に国内に住所があれば、その市区町村で住民税が課税されることになります。ただ、帰国した年そのものについて書いた自治体の案内は、この記事では確認できていません。帰国した年の寄付が翌年度の住民税から控除されるかどうかは、帰国後に住民登録をした市区町村に確認してください。

控除上限額の目安については、この記事では計算しません。上限額が寄付をする年の収入と関わることはふるさと納税の控除上限額はいつの年収で決まる?で、調べ方はふるさと納税の控除上限額を調べる方法で解説しています。海外勤務中の給与を上限額の見込みにどう扱うかは、この記事では確認できていないため、勤務先の担当者や税務署、税理士に確認してください。

寄付する前の確認先

迷ったときの確認先を、聞く内容ごとに整理します。

  • 勤務先の人事・給与の担当:出国する日までの年末調整の有無、準確定申告が必要かどうか、出国日や赴任期間の見込み
  • 住民登録をしていた市区町村:翌年1月1日の住民税の課税の扱い、出国した年に納める住民税の納め方、納税管理人の手続き
  • 税務署:所得税の扱い、準確定申告の手続き
  • 税理士:自分のケースに当てはめた個別の判断

ワンストップ特例と確定申告の違いは、ふるさと納税のワンストップ特例のやり方で解説しています。

ポータルサイトには、ほかに次のサービスもあります。

au PAY ふるさと納税

個別の税務相談についての注意

本記事は海外赴任・帰国する年の住民税の仕組みと確認先を整理したものであり、個別の税額計算や税務相談を目的としたものではありません。実際の控除上限額はご自身の収入・控除状況によって異なるため、必ず公式シミュレーターでの試算、または税務署・お住まいの自治体・税理士へご確認ください。

まとめ

住民税は、1月1日に住所がある市区町村が課税します。1月1日現在で海外に居住していて国内に住民登録がない人は課税されないと、江戸川区は案内しています。ポータルサイトのさとふるは、ふるさと納税をした年内に出国して翌年1月1日に非居住者になる場合は控除を受けられず、翌年に出国する場合は出国した年の住民税で控除を受けられると案内しています。ただし、これは民間の案内で、出国時の事情によって条件が異なる場合があります。出国時の年末調整や準確定申告は国税庁のNo.2517・No.1920、帰国した年はNo.1935・No.2518に説明がありますが、所得税の寄附金控除の扱いはこの記事では確認できていません。勤務先の担当、住民登録をしていた市区町村、税務署、税理士に確認してください。

転職・退職の年の考え方は転職・退職した年のふるさと納税の記事を、引っ越したときのワンストップ特例の手続きはワンストップ特例を申請したあとに引っ越したときの記事をご覧ください。

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