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ふるさと納税は年末調整で申告できる?会社に出す書類との関係と、ワンストップ特例・確定申告の分かれ目

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11月ごろになると、会社から年末調整の書類が配られます。ふるさと納税をした(またはこれからする)会社員の方は、この書類にふるさと納税を書くのか、会社に何か出すのかと迷いやすいところです。本記事は、国税庁や自治体の公式情報をもとに、ふるさと納税の控除を受ける手続きと年末調整の関係、ワンストップ特例と確定申告の分かれ目を整理します。個別の税額の計算や、年末調整の書類の具体的な書き方には踏み込みません。

結論:まず押さえておくこと

  • 国税庁は、ふるさと納税の控除を受ける方法として、確定申告か、確定申告が不要な給与所得者で寄附先が5団体以内の場合のワンストップ特例を挙げています(国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」)。
  • ワンストップ特例の申請先は会社ではなく、寄附先の自治体です(同上)。年末調整の書類にふるさと納税を書く欄があるかどうかは、会社から配られた書類と勤務先の担当部署で確認してください。
  • 確定申告をすると、提出済みのワンストップ特例の申請は無効になります。その場合は、申請した分も含めて確定申告に入れます(同上)。

年末調整の書類に、ふるさと納税を書くのか

国税庁のタックスアンサーは、ふるさと納税の控除について「控除を受けるためには、ふるさと納税を行った年分において確定申告をする必要があります」と説明しています(国税庁「No.1155」)。そのうえで、確定申告が不要な給与所得者については、寄附先が5団体以内の場合に限り、寄附先の団体に申請することで控除を受けられるとしています。これがワンストップ特例です。

つまり、国税庁が説明しているのは確定申告と、寄附先の自治体へのワンストップ特例の申請の2つです。このページには、年末調整の書類を出すことで控除を受けるという説明は載っていません。

自治体の案内も見ておきます。江戸川区は、ワンストップ特例の対象外となる例として、医療費控除や雑損控除などの「年末調整では手続きを行えない控除」の適用を受ける予定の方を挙げています(江戸川区「ふるさと納税ワンストップ特例制度」)。この案内が名前を挙げているのは医療費控除と雑損控除で、寄附金控除そのものについて書いたものではない点には注意してください。

そのため、会社から配られた年末調整の書類にふるさと納税を書く欄があるかどうかは、この記事では断定できません。書類そのものを見て、分からなければ勤務先の総務・人事などの担当部署に聞くのが確実です。あわせて、書類を出す前に、ワンストップ特例の申請書を寄附先に出したか、それとも確定申告をするのかを自分で整理しておくと迷いません。

12月の給料・ボーナスは上限額の目安にどう関わるか

ふるさと納税の上限額は、寄附した年の所得をもとに決まります。土岐市は「ふるさと納税の寄附金控除は、寄附した年の所得等から算出した税額が控除されます」と説明し、「寄附する時点では、その年の所得や所得控除が確定していないため、正確な上限額を算出することはできません」とも案内しています(土岐市「寄附金控除の上限額の計算」)。だから年末に近づくほど、12月分の給料や賞与まで含めた1年間の見込みで考えることになります。上限額がいつの年収で決まるかは、ふるさと納税の上限額は、いつの年収で決まるのかで詳しく解説しています。

では12月に支払われる給料は、その年の収入に入るのでしょうか。国税庁は、年末調整の対象となる給与について「その年の1月1日から12月31日まで(年の中途で死亡により退職した人等については、その退職等の時まで)の間に支払うことが確定した給与です。」と説明し、「したがって、実際に支払ったかどうかに関係なく未払の給与もその年の年末調整の対象となります」としています(国税庁「No.2668 年末調整の対象となる給与」)。

注意点が2つあります。1つ目は、このページが説明しているのは年末調整の対象になる給与の範囲で、ふるさと納税の上限額の計算そのものを説明したものではないことです。2つ目は、12月分の給料を翌年1月に支払う会社の場合に、どちらの年の収入として扱われるかを、この記事では断定しないことです。賞与についても、このページは名指ししていません。こうした方は、年末に受け取る源泉徴収票の金額や、勤務先の担当部署の説明で確認してください。見込みで動く以上、目安の金額ぎりぎりではなく余裕を持たせた金額にとどめておくのが安全です。

年末調整を受けたあとでも、確定申告で寄附金控除を受けられる

国税庁は「大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了しますから、確定申告の必要はありません。」と説明しています(国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」)。

ただ、年末調整を受けた人が、ふるさと納税の寄附金控除のために確定申告をすることはできます。国税庁は、給与について年末調整を受けた方が医療費控除と寄附金控除を受ける場合の確定申告書の記載例を公表しています(国税庁「給与所得者(年末調整済)の記載例」)。 この記載例は令和4年分の様式によるものなので、実際に申告するときは、その年分の最新の案内で確認してください。

税務署などで申告書を作成する場合は源泉徴収票が必要になります。同じ記載例に「税務署等で申告書等を作成する場合には、源泉徴収票等が必要ですので忘れずにお持ちください。」と書かれています(同上)。年末調整のあとに会社から源泉徴収票を受け取ったら、なくさないように保管しておきましょう。

また、国税庁は、還付申告ができる例として寄附金控除を挙げています。還付申告は「その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。」とされています(国税庁「No.2030 還付申告」)。

ワンストップ特例と確定申告の分かれ目

会社員がどちらの方法になるかは、次の順で確認すると整理できます。

  1. 寄附先の自治体が5団体以内か。 国税庁は、5団体を超える自治体にふるさと納税を行った人や、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告をする人は、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めて確定申告をする必要があると説明しています(国税庁「No.1155」)。6団体以上になった場合は、寄付先が6自治体以上になったらどうなる?で解説しています。
  2. ふるさと納税以外の理由で確定申告をするか。 医療費控除を受ける予定の方は、江戸川区がワンストップ特例の対象にならない例として挙げています(上記の江戸川区の案内)。給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と給与・退職以外の各種の所得金額との合計額が20万円を超える人も、確定申告が必要とされています(ただし給与の全部が源泉徴収の対象となる場合の条件です。国税庁「No.1900」)。副業がある方は副業がある会社員のふるさと納税、年の途中で転職した方は転職・退職した年のふるさと納税も参考にしてください。
  3. どちらにも当てはまらなければワンストップ特例。 寄附先の自治体ごとに申請書を出します。手順はワンストップ特例のやり方、申請書の書き方はワンストップ特例申請書の書き方で解説しています。

ご自身が確定申告をする必要があるかどうかの判断は人によって異なります。迷うときは、お近くの税務署や、勤務先の担当部署に相談してください。

控除の戻り方も、方法によって変わります。ワンストップ特例の場合、総務省は「所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されます」と説明しています(総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」)。確定申告をした場合の戻り方は、ワンストップ特例のやり方の中で表にまとめています。

ワンストップ特例の申請書は、寄附の翌年1月10日(必着)までに申請が必要です(江戸川区)。年末に近い寄附の場合の申請書の入手方法や提出方法は、寄附先の案内で確認してください。

寄付先を選ぶときは、ポータルサイトを使うのが一般的です。ポータルサイトの一つに、次のサービスがあります。

さとふる

よくある誤解・注意点

申請したあとで確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になる

見落としやすいのがここです。国税庁は「確定申告を行う方は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があります。」と明記しています(国税庁「No.1155」)。たとえば、ワンストップ特例の申請書を出したあとで医療費控除のために確定申告をすることになった場合は、ふるさと納税分も確定申告に含める必要があります。

医療費控除は年末調整でまとめて、とは限らない

江戸川区は、医療費控除や雑損控除などの適用を受ける予定の方をワンストップ特例の対象外としています(上記の江戸川区の案内)。領収書がそろっている医療費があるなら、年末調整の書類とは別に確定申告をする可能性を考え、その場合はふるさと納税分も一緒に申告します。

年末調整の書類を出しただけでは、ふるさと納税の手続きが済んだとは言い切れない

国税庁の説明では、控除を受ける手続きは確定申告か、寄附先へのワンストップ特例の申請です。年末調整の書類を出し終えたあとで、ワンストップ特例の申請書を寄附先すべてに出したか、あるいは確定申告をするのかを確認してください。

まとめ

ふるさと納税の控除を受ける手続きは、国税庁の説明では確定申告か、確定申告が不要な給与所得者で寄附先が5団体以内の場合のワンストップ特例です。ワンストップ特例の申請書は会社ではなく寄附先に出します。年末調整の書類にふるさと納税を書く欄があるかは、勤務先の書類で確認してください。年末調整を受けた人も、確定申告で寄附金控除を受けられます。確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。

ふるさと納税全体の流れは、ふるさと納税、初めての会社員が知っておきたい一連の流れで解説しています。

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